1/22/2015

Mitsven *My New 6'8"***

Mitsven
Pointed Gypsy
6'8" * 20&3/4" * 2&5/8"
Gloss & polish, red tint top & bottom, future multi plug,
glass leash loop.





 
 ショートボードのシェイプも得意とするミツベン。このポインテッド・ジプシーは、オリジナルのジプシーをノーズの尖ったアウトラインとのアレンジ版として、アップ・デートしたモデル。そして、昨年12月にサイディエゴで自分にペレゼントとして削ってくれたボードである。

  当初6’8”に対して21インチプラスでアウトラインを引いてくれたのだが、トリップも考えてのボードとして少し細く20&3/4"にしてもらった。その際もこのレングスのベストなバランスはと尋ねると、乗り手の求めるサイズ(幅や厚み)がベスト・バランスであり、それに合わせて綺麗なボードをシェイプするのが自分の仕事だと言い切っていた。サーフボードビルディングに携わる人達からの評価が素晴らしいのは、彼のボードを見ればわかるはずだ。


 そして、目の前で全行程をハンド・シェイプしてくれたシェイプド・ブランクは、今やサンディエゴ屈指のグラッシング・カンパニーでもあるマッカラムの工場にて、ジョエルも絶大なる信頼を置くアレックスのラミネートで美しいレッド・ティントのボードに色付けされ、熟練工ポールのサンディングなど各工程を経て完成し、昨日無事にショップに到着した。


 カラーリングについては、大量の塗料を調合して一色のカラーを作り上げるもの(量産化された塗料)ではなく、各ボード、正確には一本のボードでも表面と裏面で最低2回、紙バケツにたっぷりと入れられたレジンの中で目分量で色調し、希望に合わせた色を作り出している。樹脂に対する染料の量が違うだけでも濃淡の差が起こるのは当然のことで、色をミックスするとなると微調整をすることで染料の量は簡単に増加し、色合いは濃くなってしまうため、カラーチップなどで希望を出しても同じ色を出すことはかなり難しいことがわかるだろう。その上にカラーのホットコートが入ったり、様々なオプションが絡んでくれば、複雑化による相違は歴然としたものとなり、今ある色と同じ組み合わせなど存在し得ないと自分は思う。機械化された商品を求めるならそれもあるだろうが、ハンドメイドのサーフボードでは一本一本の組み合わせがある意味「一期一会」なのではないだろうか。上の画像は2本ともミツベンの自分のボード。どちらもレッド・ティントで頼んだものである。明るい赤、そしてバーガンディーに寄った深い色。同じ色ではないが、自分は、こういった違いが出てくるところにも手工芸品としての魅力を感じたりもしている。


 「ボブ、そしてリック、ありがとう。大切に乗らせていただきます。」